2018/04/22

地元の星からNFLスターへ まっしぐら サクオン・バークリー

3月14日はサクオン・バークリーの日!ということで、ペンシルベニア州コプレイではパレードが行われました。今年のNFLドラフト超有望株、10年に一人の逸材、将来NFLの看板となる選手、とも評されるランニングバック、サクオン・バークリーくんが育ったのは、人口3000人程の小さな町ですが、この日は5000人の人が集まりました。

式典では、開催を決めた町の偉い人が「コプレイの歴史に残る、重要な日です!」と演説し、サインをもらう列には2時間半待ちという人も。警備員が中断させようとすると、「どうして?」と言ってサインを続けたバークリーくんです。


サキオン・バークリーくんが生まれたのはニューヨークのブロンクス。父親のおじさんがボクシング世界チャンピオンで、父親もアマチュアボクサーでした。しかし、強盗罪で悪名高いライカ―ズ刑務所に入ったこともある父親は、ドラッグ常用者で、出所後も更生できぬまま何度も逮捕されます。ギャングによる犯罪が多発する、こんな所で子どもたちを育てるのは危険すぎると、母親は親戚を頼ってペンシルベニア州行きを決意しました。

「一緒に来るなら来てもいい」と通達された父親は、ドラッグを止める決意をして家族に同行。しかし、ペンシルベニアでも生活は厳しく、両親は子どもたちを親戚に預け、しばらくホームレスだったこともありました。コプレイという町で落ち着いたのが2005年のこと。

ドラッグとはキッパリ手を切った父親ですが、「いや、1度だけやってしまった。2004年だったかな。ホームレスになって、どうすればいいか分からなかったんだ。4ヵ月程続いたが、それからは無縁だ」と語っています。

このお父さん、左腕にはニューヨーク・ジェッツの入れ墨があり、「このチームがね、苦しい時には、私を引っ張ってくれたんだ」とも。

「たくさんの人が僕の性格や態度を評価してくれているけど、それは両親のおかげなんです。こんなふうに僕を育ててくれました。二人がいてくれたことに感謝しています」とサキオン・バークリーくん。小さなころから、「大きくなったらお母さんに家を買ってあげるからね」と言い続けてきましたが、それが現実となるのももうすぐです。



上記のリンク先記事にバークリーくんの写真が何点かありますが、肩を組んで写っている白人の女の子がカイリーさんという中学校からの友達です。サキオンくんより2歳上で運動神経抜群。すぐ仲良しになって、連日カイリーさんちでサッカーボール取り合いの乱闘を繰り広げました。家具はメチャクチャ。サキオンがカイリーを投げ飛ばせば、カイリーがバックドロップを食らわせるという具合。

「コンカッションになったこともあったわ。私がカウチに頭を強くぶつけちゃって。でも私達はそんなの気にしなかった。タックルもしたし、ボールを取れるならどんなことでもしたのよ」

とカイリーさんは語っていますが、コワいですねぇー。でかい中学生、体を持て余して何やっとるんや。あー、コワッww

そんなバークリーくん、高校時代には陸上競技大会でこんな話もあります。

女子100Mハードルで1位になった選手が、記録時計の不備で再度決勝をすることに。しかし高跳びにも出場し、疲労がたまった足で臨んだ2回目の決勝レースでは8位になって涙を飲みました。この一部始終を見ていたサキオン・バークリーくんは、見も知らぬこの選手に自分が100Mで取った金メダルをプレゼント。

「この話を新聞社に言ったらサキオンは怒っちゃって」と言う陸上部コーチ。「彼は誰にも知られなくなかったんですよ。サキオンにはこう言いました。こんなこと誰もしないんだよ。こんな話は誰も聞いたことないんだよ、って」

彼の謙虚で実直な性格には、高校、大学のコーチも太鼓判を押すところ。高校卒業時にはディビジョン1の大学が自分にオファーくれるなんて信じられないと、一時ラトガース大学に在籍しています。結局ペンシルベニア州立大学に移籍するのですが、その際ラトガースのコーチやスタッフにひどく申し訳ないと思いました。「今でもね。彼はコーチへの電話を、ずっと悪かったと思ってるのよ」とカイリーさん。

そしてなんと、ドラフト前にはガールフレンドとの間に赤ちゃんが生まれ、新米パパとなる予定です。「彼がいいお父さんになるのは間違いないわ。正直、フットボール選手としてよりいいかも」とカイリーさんはここでも褒めまくり。

サキオン・バークリーくんはどこに指名されるのでしょうか?クリーブランド・ブラウンズが1位でクォーターバックを指名することになれば、2位のニューヨーク・ジャイアンツか。レシーバーにオデル・ベッカム、ランニングバックにサキオン・バークリーというジャイアンツって、見たいなあーーーー。

2018/04/17

QBにしておくにはもったいないかもしれないラマー・ジャクソン

今年のドラフトには将来を有望視されているクォーターバックが何人かいますが、そのうちの一人が、ルイスビル大学出身のラマー・ジャクソンくんです。なんといっても、抜群の運動能力。足がむっちゃ速いので、ワイドレシーバーに転向したら?という話もあるとか。

「いや、そんなこと聞かれていない。そんな話がどこから出たのか分からないな。僕はクォーターバックだよ」

と本人は答えています。もし転向するように言われたら?とコンバインで質問されると、「そんなチームには行きません」ときっぱり。

コンバインでのドリルの結果は、いっさい成績なし。40ヤードダッシュは走らないと聞いていましたが、みごとに全部パスしていました。走ったり飛んだりの記録が良すぎるとQBとして不利だと判断したのでしょうか。40ヤードダッシュに関しては、今年のクォーターバックの中でトップは確実で、過去を見てもマイケル・ビック以来の速さでは?と言われています。

大学入学当時、チームはクォーターバックを多数抱える一方、パントリターナーに困っていました。そこで、コーチはジャクソンくんの運動能力を見込んで、リターナーの練習をさせたそうです。すると、練習後にコーチのところへ電話が入りました。ラマー・ジャクソンくんの母親フェリシア・ジョーンズさんから。

あなたがラマーをほしいってスカウトに来た時、クォーターバックという話じゃなかった?パントリターナーって、クォーターバックとは大分違うんじゃないかしら?

フロリダの高校からケンタッキー州の大学に勧誘する際、コーチが親子に約束したことを改めて確認し、その後ジャクソンくんがリターナーの練習をすることはなかったということです。

似たようなことは高校でもありました。相手のポゼッション、ヘイルメリーパスの状況で、ジャクソン君の能力を知っていたコーチが彼をセーフティのポジションに起用すると、あとでジョーンズさんから忠告が入ったそうです。

「コーチ。彼はクォーターバックなのよ。それ以外には考えてほしくないわ」


8歳の時に交通事故で父親を亡くし、同じ日に祖母も他界しました。それからお母さんの励ましでフットボールをしてきました。高校卒業時には多数の大学から勧誘されましたが、クォーターバックで、できるだけすぐ実践で使ってくれる大学、という点を重視して選びました。コーチにも意見を言い、試合の後にはジャクソンくんのレシーバーにも反省点をアドバイスするという母親です。

「ズバリと言ってくれるんだ。僕たちみたいな選手には、それが必要だ。『なんでこの人が僕につべこべ言うんだ?』なんて思わないよ。彼女はよく見ている。何が起こっているかよく知っているんだ」

と語るのは、ジャクソンくんの大学でのレシーバー、ジェイレン・スミスくん。

ジャクソンくんのチームメイトからも信頼され、プロデイで息子のパスをキャッチするレシーバーも選びました。ワークアウトが終わると、数人のレシーバーがジョーンズさんを囲んで抱擁を交わしています。

ラマー・ジャクソンくんはエージェントなしでドラフトに臨みます。弁護士等のサポートチームはもちろんいますが、母親がマネージャーでエージェント代わり。プロでも二人の二人三脚は続くのかもしれません。



大学2年生の時には史上最年少でハインズマン賞を受賞。現在ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン、今年の受賞者ベイカー・メイフィールドを抑えて選ばれました。今年のドラフト候補生中、クォーターバックでは4番手か5番手という評判ですが、秘められた能力が高そうではありませんか。さて、どのチームに指名されるのか。

今年は1巡に二つ指名権(23・31位)を持つイングランド・ペイトリオッツかも?はからずも、クォーターバックの後継者を育てなければならない時期。現QBのブレイディさんも、こんなインスタのコメント欄で「彼は野獣さ!!!」とラマー・ジャクソンくんを褒めていますよ!(めずらし~)


2018/04/13

アメフト親善大使としても活躍中 マーショーン・リンチ

アメリカ国内では取材拒否、メディア嫌いで有名なオークランド・レイダーズのランニングバック、マーショーン・リンチさん。その一方で地元オークランドではチャリティ活動を熱心に続け、また、アメリカンフットボールを広める親善大使として世界中を回っています。

リンチさんが参加しているのは American Football Without Barriers という非営利団体。NFL選手が中心となり、アメフト普及に努めながら、恵まれない子どもたちの教育と健康を促進する活動をしています。AFWBの一員としてリンチさんが訪れた国は、これまでにブラジル、トルコ、エジプト、そして今年はポルトガル。

遠征先では、現地のアメリカ大使館の夕食に招待されるのですが、他の選手はきちんとネクタイを締めて行くのに、彼だけいつも通りのジャージ姿。

「一応、敬意を払うべき場所だろう。だけど、マーショーンにかかったら、そんなの形無しさ。汚い言葉だって使うんだ。フィルターなしのそのまんまマーショーン。大使はどう対処すればいいか困惑するうちにペースに巻き込まれるんだな。自分も汚い言葉を返したりしてさ。ちょっと面白い見ものになるんだよ」

と語るAFWBスタッフ。そんな調子で、どこに行っても、いつのまにか大使と懇意になってしまうそうですよ。今回は在ポルトガル米国大使にタックルも。




「マーショーンとビデオに映ったら、大使はもう有名人。大統領選挙に立候補しても大丈夫ですよ」という選手の冗談に、「マーションが副大統領になってくれるなら!」と返した米国大使。いい雰囲気っすねー。

ブラジルに行った時には、夕食会の数日後に大使からリオデジャネイロ土産の帽子と葉巻がリンチさん宛てに届いたこともあります。

子どもたち対象のフットボールキャンプでも大人気。笑いながらタックルの仕方を教えることもあれば、ボールを何度もドロップして泣きながらフィールドを去る男の子を慰めることも。20分も話してようやくその子がフィールドに戻った後、自分のバックパックからトレーナーを出してプレゼントしました。

物資が不足するブラジルの孤児院に行った時には、選手が子どもたちの足をきれいに洗ったあと、新しい運動靴をプレゼント。リンチさんが履いていたカラフルなビーストモード仕様のシューズに目を止めた男の子が「それ履いてるから速いの?僕も速く走りたいな」と言いました。

「速く走りたいなら努力しなくちゃ」と答えたリンチさん。「他の人より一生懸命になるんだ。誰かが走ってたら、それを追い抜くんだ」。そして、その子に履いていたシューズを脱いで渡すと、自分は裸足でホテルまで帰ったとのこと。

そんなリンチさんもキャンプの参加者の年齢が上がってティーンエイジャーになると、シリアスでタフな面を見せます。1対1、2対2のドリルでは本気でタックルして相手を倒すことも。

「マーショーンはヒットしたいんだよ。それだけやってたいの」と語るのは、現ピッツバーグ・スティーラーズRBデアンジェロ・ウィリアムズさん。ランニングバックのドリルをリンチさんと担当しています。

「彼は攻撃的なのが好き。だからオレとバランスがとれてる。だってオレはヒットしたくないし、マーショーンはその逆。ドリルの前に、彼がやると言えばオレがやめとけって、5分間は争ってるよ」

時々は、喧嘩を売ってくるような態度の少年もいます。大概は見て見ぬふりをするリンチさんですが、初めてのブラジルキャンプの時は我慢ができませんでした。舐められたらいかん、とパッドとヘルメットをつけて1対1のドリルで見事に圧倒。

「マーショーンが手抜きしたのは分かったよ。そうじゃなきゃ怪我させてる。やつは、自分が何をしてるか、自覚してんだなって思ったよ」

とデアンジェロ・ウィリアムズさんは語っています。

いろんな所でファンを増やしているマーショーン・リンチさん。スキットルズの広告でシニアホームを訪問した時も楽しそうでした!



でも走ってる姿が一番かっこいいかな・・・。




2018/03/24

ペイトン・マニングとドラフト1位を争ったライアン・リーフ その後のカムバック

ライアン・リーフという名前を聞いたことがありますか?1998年NFLドラフトで、ペイトン・マニングと1位指名を争ったクォーターバック。マニングよりも肩が強い、成功する資質はリーフの方が上と語る関係者もたくさんいたそうです。

ペイトン・マニングは全体1位指名を受けてインディアナポリス・コルツへ。NFLを代表する選手となって、18年間活躍し続けました。一方、ライアン・リーフは2位でサンディエゴ・チャージャーズへ入団。ルーキーとして最初の2試合に勝利した後、成績は全く振るわず。素行の悪さもありファンに叩かれ、選手生活は4年で終了となりました。ドラフトバストナンバーワン。そんな呼び名もある彼が、なぜ今、公の場に出てきたのか――。


小さな頃から極度な負けず嫌いだったと本人は語っています。勝てなければ腹が立つ。復讐戦をすぐにでもしたい。相手を情け容赦なく叩きのめしたい。試合で争うことは、ある意味ドラッグと同じだった。これがなければ生きていけない。これ以外に価値を見出せなかったと。

抜群の運動能力を持ち、負けん気も強かった。野球もバスケットボールもフットボールも人より上手。大学までずっと自分が一番で、自信満々だった。それが、プロの世界で挫折。バックアップとしてフットボールを続ける道もあったのに、当時はプライドがそれを許さなかったと語っています。逃げるようにフットボール界から姿を消しました。

3ヶ月後、ラスベガスにボクシングの試合を見に行くと、会場のアナウンサーが思いがけず自分の名前を口にしました。「本日は、有名人がたくさん観戦に訪れています!チャールズ・バークリー!(拍手)タイガー・ウッズ!(拍手)ドクター・ドレー!(拍手)ライアン・リーフ!」他の有名人には拍手だったのに、自分の名前が呼ばれた後は、嵐のようなブーイング。

もちろんNFLで試合中にブーイングされたことはあります。メディアやファンにバッシングされたことも。プロの選手ならそういうこともある。しかしこの時は、プレイではなく人間としての自分を否定された気持ちになりました。その夜、知人にバイコデンという処方薬を渡され、心の痛みを消すことができました。

怒りやすい、自己中心的、人を貶す、不安症。もともとそんな資質があり、依存症に陥り易いタチだったのかもしれない。一度経験したドラッグは、確かに劣等感に圧倒されそうな自分の心を癒す助けになってくれました。

そして薬物依存症へ。サンディエゴの豪邸に住んでいましたが、ブラインドを締め切り、暗い部屋でピルを齧りながら再放送のテレビドラマを眺める毎日。その反面、外に出る機会があると平静を装って生活していました。

しかしある日、故郷のモンタナで知人の家に盗みに入ります。薬がバスルームにある。それが欲しくて留守宅に忍び込んだはずが、家人の車が戻って来て、怪訝な顔で詰問される・・・結局、家宅侵入窃盗罪で服役が決定しました。

32カ月の刑務所暮らし。しかし、ここでの生活、ここで会った人達が自分を救ってくれたのだとライアン・リーフさんは語ります。

26カ月間は何をやる気もなく、自分を憐れんで部屋に籠っていました。そんなある日、退役軍人のルームメイトの言葉が、なぜか心に届きました。「もう、そろそろ頭を砂の中から出す時だぞ。何か役に立つことをしなきゃ。図書館に字の読めない人がいるから手伝おう」

気が乗りませんでしたが、言葉に従い、字の読めない囚人に読み方を教えました。それが1週間続き、また1週間。自分が誰かのために奉仕するのは、これが人生で始めてだと気が付きました。1か月する頃には、夜、枕に頭を置いた時に、自分を少しだけ良く思えるようになりました。この状況もそんなに悪くない。ここから出たい。そして何かをしたい。そんな希望の光が見えてきたのだとリーフさんは語ります。

2014年12月に出所。110日間独房で過ごした時に、薬物とは縁が切れましたが、心と体の治療はずっと続けていかなければなりません。自分も治療施設に通っている間、関連のサポート団体で仕事がしたいと責任者に何度も電話をかけ、やっと面接の約束を取りつけました。電話を切る間際に、向こうでのこんな会話が聞こえてきたそうです。

「しつこく電話をかけてくるヤツがいるんだよ。変な話だが、フットボール選手と同じ名前なんだよ・・・」

面接の後、「普通は時給10ドル(1000円)から始めるんだが、キミは15ドルからだ」と言われ、責任者と固く抱擁。素晴らしい気分だったそうです。NFLでは年5億円もらって、酷い気持ちで過ごしていたのに、やっと晴れ晴れした気持ちになれた――。

以後、ライアン・リーフさんは薬物依存症の患者さんとその家族を援助する活動を続けています。アメリカ全土で講演を行い、知識を広め、依存症に対する理解を深めることが自分の使命。NFLコンバインにも招待されて、これからプロの世界に飛び込むクォーターバック達に自分の体験談を含めたアドバイスをしています。

という、こんな話を聞いてですね、私はYouTubeで昔のリーフさんを見てみました。ほんと、鼻っ柱が強そう。負けた試合の後インタビューされて、記者に食ってかかったりしていた場面もありました。

自分の弱さを公表するなんて、なんと勇気のいることでしょう。自分の経験が誰かの助けになるなら、と運動を続けている彼の姿勢は私達にも勇気を与えてくれます。ペイトン・マニングの華やかな選手生活がひとつの成功物語なら、紆余曲折を経て今に至ったライアン・リーフさんもサクセスストーリーの立役者と呼べるのではないでしょうか。ね!

2018/03/18

ブロンコスが夢だったと語るケイス・キーナムがむっちゃ嬉しそうな件

「カーク・カズンズ、ブロンコスに来てー!」と大きな声でキャンペーンしてたのは、LBボン・ミラーさんとWRエマニュエル・サンダースさんですが、デンバー・ブロンコスの先発QBとしてGMジョン・エルウェイさんが獲得したのは、ケイス・キーナムさんでした!

子どもの頃はエルウェイの大ファンだったというキーナムさん、ブロンコスのジャージを手に取って感慨深げ・・・。


ボンがあんなこと言ってて、気まずくない?という質問をされると「いや、全然。ボンちゃんが真っ先に連絡くれたよ」とのこと。

「自分のチームを良くしたいという選手に拍手だ。チームを良くするためにどんなことでもする選手がチームメイトになるのは嬉しい。そんなロッカールームに入って、リーダーとして認めてもらう準備は万端だ」

フリーエージェントQBが何人かいた今年のオフシーズンですが、ブロンコスは最初からキーナム獲得を決めていた様子です。そしてその決断に大きく影響を及ぼしていたというゲイリー・キュービアックさん。

キュービアックさんを覚えていますか?私は大好きでしたよ。2015-2016年にブロンコスのヘッドコーチでしが、健康上の理由から辞任。現在はブロンコスでアドバイザーをする、エルウェイさんの右腕です。

高校卒業時、大学からの奨学金オファーは1校だけだったというケイス・キーナムさんは、2012年にドラフト外でヒューストン・テキサンズに入団。ヘッドコーチがキュービアックさん、そして現在ブロンコスヘッドコーチのバンス・ジョゼフさんがディフェンシブバックコーチをしていました。

1年目を練習生で過ごした後、2年目にはバックアップQBに昇格。先発QBの故障によりNFLデビューを果たしましたが、0勝8敗の成績に終わりました。その後ラムズ、再びテキサンズ、バイキングスと、チームを転々としながら先発とバックアップを経験してきました。

「ゲイリーがケイスを知ってたからね、それが一番の要因だ。ゲイリーが彼を人間としてどう見ていたか、ロッカールームで何をしてくれるか。ロッカールームはいつだって改善していかなければ。見たとおり、ケイスを成熟さを持ち込んでくれるだろう。大きな収穫だ」

とエルウェイさんは語っています。

さて、生まれも育ちもテキサス州のキーナムさんが、コロラド州で最後に試合をしたのは大学生の時。その時のことを今でも鮮明に覚えています。

試合終了前、3点差を追っての最後のパス。キーナムさんがエンドゾーンに向けて放ったパスをインターセプトしたセイフティの名前はクリント・キュービアック。

「フィールドゴールでも良かったんだ。だけど僕が欲張って、タッチダウンパスで勝とうとした。そこに彼が飛び込んだ。今は同じチームになってホッとしてる」

とキーナムさんが語るクリント・キュービアックさんは、もちろんゲイリー・キュービアックさんの長男で、現在はブロンコスのオフェンシブアシスタント兼クォーターバックコーチ。この時のインターセプションの写真は、キーナムさんの携帯に思い出として残されているそう。

そんな話を聞くと、何か縁があってブロンコスに来たような気がします。契約は2年36億円(25億円確定)。しかし、来月のドラフトで5位指名権を持っているブロンコスは、クォーターバックを指名する可能性もあります。GMエルウェイさんは既にはベイカー・メイフィールドとジョシュ・ローゼンのプロデイを視察、またサム・ダーノルドとメイフィールドをデンバーに呼んで面接する予定もあります。

「このリーグに長年いれば、どんなことでも起こりうる。チームがドラフト指名権をトレードアップして全体1位権を取ったとき、僕は先発QBだったし」

とキーナムさん。そうでした。2016年、ラムズが1位でジャレッド・ゴフを指名したんでしたよね・・・。

とまあ、本当に何が起こるか分からないNFLですが、笑顔が優しそうで好感度抜群のケイス・キーナムさん、ブロンコスで頑張ってほしいです。ミネソタ・バイキングスに行ったQBトレバー・シミアンさんも応援してるよ!カーク・カズンズから先発の座を奪い取ってもいいんだよ!あと、すぐ泣いちゃうパクストン・リンチくんも応援してるよ!フランチャイズQBになって見せろー!

契約後のすごくハッピーなキーナム夫妻。幼少時のケイスくん、かわいいね!ツイッターのアイコンでいつも会えるね!


さて2012年ドラフト組QBといえば、アンドリュー・ラック(1位)、ロバート・グリフィンⅢ(2位)、ライアン・タネヒル(8位)、ブロック・オズワイラー(2巡)、ラッセル・ウィルソン(3巡)、ニック・フォールズ(3巡)、カーク・カズンズ(4巡)、そしてケイス・キーナム(ドラフト外)。

うーん、いろんなことがありますね・・・。

2018/03/16

シーホークス戦に執念燃やす49erリチャード・シャーマン

あっちもこっちも大型移籍が相次ぐNFLですが、シーホークスは、チームの顔CBリチャード・シャーマンが、同地区ライバルのサンフランシスコ・49ersに移籍しました。

エージェントなしで自ら契約交渉に当たったシャーマンさんですが、シーホークスGMシュナイダーさんが交渉の仕方をアドバイスしてくれたとも言われているので、リリースは双方合意の上あっさりと決まったんじゃないのかな。

今年11億円払えないなあ。給料カットOK?➜ならフリーエージェント市場を当たるわい➜そう?じゃあリリースするからやってみなよ――ってかんじ?

リリースが発表された金曜の夜には、さっそく49ersのヘッドコーチ、カイル・シャナハン夫妻、シャーマンと婚約者が食事に。翌朝には回復中のアキレス腱スキャンを含めた身体検査を行い、昼から細かい契約交渉を始めて、土曜午後には公式発表となりました。

49ers契約担当者によると、シャーマンは過去を含めたトップコーナーバックの契約書をすべて読み、さらに49ers選手の契約内容も調べて交渉に臨んだとのこと。「10~12時間費やしたよ。契約の内容や専門用語に慣れるために。自分のエージェントなんだからリサーチしないと」とは本人の弁。

契約内容がほとんど決まると、フリーエージェントの自分に興味を示しているチームに確認の電話を入れました。まずシーホークス。GMシュナイダーさんは「インセンティブが多すぎる」ということで拒否。オークランド・レイダーズ、デトロイト・ライオンズのGMにも却下されました。

さて、その契約内容はというと、契約時ボーナスが3億円、ロースターボーナス(キャンプまでに身体検査をパスできたら)2億、2018年の基本給2億、試合ごとのロースターボーナスで年2億、90%のスナップをプレイしたら1億、プロボウル選出で1億、オールプロ選出で2億。

一応3年で39億円になる契約ですが、これ、けっこうキツいのでは?怪我して出場できなかったらかなり減給になりそう。それにオールプロなんてコーナーバックはトップ2選手しか選ばれないのに、故障明け30歳で選出されるのでしょうか。

ジョー・トーマスさんなんか気の毒がってました。選手がエージェント役をするのは良くないと・・・。

しかし、今年ディフェンスのスナップを90%プレイし、プロボウルに選出されれば、シアトルで得るはずだった11億円は達成します。加えて、来年度の8億円が確定する内容。

「前の契約では、今年どんなプレイをしても翌年の確約はなかった。不安だった。しかし今度は、自分の思ったとおりのプレイができれば金が入ってくるんだ」

49ersのGMジョン・リンチに、「ここに来れば、シアトルと年に2回できるぞ」と言われて「復讐もいいな」と語ったリチャード・シャーマン。

「ファンは死ぬほど好きだよ。あそこでプレイするのも大好きだった。素晴らしいチャンスに恵まれた。チームの発展に力を貸すことができた。だけど今はオレがチームを捨てたみたいじゃないか。オレのジャージを燃やしてるヤツもいる。オレが出てったんじゃない。出されたんだ。オレは誰も捨てたりしていない。」

シャーマンがいなくなって寂しいけど、NFLはどのチームでもこんなの当たり前ですね。もともとカリフォルニア出身だし、ベイエリアは出身校スタンフォード大学の地元だし、サンフランシスコ・49ersってシャーマンに似合ってる気がします。

なーにが復讐だ、バッキャロー!ラッセル・ウィルソンがシャーマンなんかズッタズタにしてやるわい!見てろよーーーーー!ダグ・ボールドウィンだって爪をといで待ってるでーーーー!49ersとの試合、むっちゃ楽しみ!!!

ということで、チームの顔だったシャーマンは去り、他の選手もぞろぞろといなくなっているシーホークスです。このオフシーズンは、まだまだ気が抜けません・・・。

2018/03/12

ジョシュ・ローゼンの事実と噂

フリーエージェント解禁前からドタバタしているNFLですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ちょっと気持ちを変えて、ドラフト候補生の話題です。UCLA出身で上位指名確実と言われる、QBジョシュ・ローゼンくん。


「僕はここにいる中で最高のクォーターバックだ。ディフェンスを分析し、正しい場所にボールを投げることができる。決断力もある。僕たちは競争者だから、他のクォーターバックも同じように思っているだろう」

と、コンバインで語っていました。アメリカ人の「自分がナンバーワン」精神はここでも揺るぎなし。あっ、そう~。そうなんだ~。自分を信じ切るってすごいな・・・。

このローゼン君については、これまでに様々な噂が飛び交っていました。NFLでプレイするだけのモチベーションがあるのか?権威を軽く見すぎているのでは?頭が良すぎる?チームメイトに嫌われている?などなど。運動能力的には優れているが、指名をためらうチームもいるかもしれない、という声も聞きました。そのジョシュ・ローゼンくんのプロフィールです。

1.NFLへのモチベーション

お父さんは有名な脊椎外科医、お母さんは権威あるアイビーリーグ大学創設者の直系という、かなり裕福な家庭で育ったローゼンくん。大学の寮にジェットバスを持ち込んで話題になったこともあります。プロにならずとも億単位の金に困ることのない彼が、NFLのでやっていくだけのタフさがあるのか?

「僕の家は16歳の誕生日にフェラーリを買ってくれるほど金持ちじゃない。ただ他のチームメイトのような(経済的)心配がなかっただけ。世の中の格差に触れることができたのはフットボールのおかげだ。だから大好きだ。

必要がないのにプレイしている、ということは、僕が本当にフットボールが好きだということを証明している。経済的に必要ないのに、魂も心もフットボールに捧げているんだ。誰かに無理強いされてやっているわけじゃない。両親は学業中心に僕を教育してくれた。二人ともアイビーリーグの卒業生で、それに誇りに思っている。フットボールのために大学を変えることを、なんとか説得して、やっと分かってもらったんだ。」

ローゼンくんは語っています。お父さんはなんと、フィギュアスケートでオリンピック選考会にも出たという人。メスを握るフィギュアスケーターってすごくない?お母さんとはアイスダンスのペアだったそう。

2.フットボール外での主張

大統領選挙があった2016年には、"FUCK TRUMP"メッセージ付きの帽子をかぶり、ドナルド・トランプ所有のゴルフコースでスイングを振る写真をインスタグラムに投稿。

また、UCLAがアンダーアーマー社と280億円のシューズ・アパレル契約を結んだ時には、「これでも僕たちはアマチュア。非営利団体NCAAてか」と全米大学体育協会の偽善ぶりを非難。

インスタグラムの投稿はどちらも削除されましたが、トランプ帽子については「投稿したことに後悔はしていない。ちょっと笑えるだろ?」とコメントしていました。

政治的発言を厭わない選手を、超保守的なNFLチーム幹部が両手を広げて迎え入れるのか?「余計なことをせず選手はフットボールに専念すればいいのだ」と考えるオーナーがどれくらいいるのか(多分ほとんど)を考えると、危険マークを貼られているかもしれません。

3、チームメイトに嫌われている??

「嫌われているとか、自己中心的だとか、頭良すぎとか、匿名の人に言われても気にはならない。だけど、コンバイン後もそう言われたらイヤかもしれない。だって、もう実際にはチームとは面会したからね。それでも噂が続くようなら、何かあるってことだ。懸念すると思う。今のところは雑音にしかすぎないけど」

と、ローゼンくん。UCLAのチームメイトが、コンバインの面接で一番先に聞かれたことはローゼンくんのことだったとも語っています。チームに溶け込める人柄は、もちろんスカウトが考慮するポイントのひとつでしょう。コンバインの面接では、「同じチームから、一緒にNFLチームに行ける選手がいるとすれば、誰を選びますか?」という質問が必ず出るようです。ドラフト候補生もいろいろ大変っすね。

さて今週は、政治的に率直なローゼンくんに対して「彼は人道主義者になるか、フットボール選手になるか、決めた方がいい」と発言したNFLコメンテーターがいて、JJ・ワットさまの怒りに触れていました。

「バカバカしいコメントだ。良くも悪くも、アスリートはこの国で皆に認知されている。この大きな影響力を利用して、大勢の選手が地域社会に貢献している。その力を使わない人間がいるのか?」

そのとおりですね。自分の主張があるなら言ったらいいじゃないか。スポーツ選手であれ、政治的に積極的であって何が悪い。有名であるからこそ、社会を改善できる力になれるんだもの。そういえば昨シーズンも国歌斉唱時に起立しない選手がいて批判されていましたね。まだ世間の風当たりは強くても、これからどんどん変わっていくんじゃないでしょうか。保守的なNFLといえど。

ということで、ローゼンくんはどこのチームに指名されるのか、NFLで活躍できるのか否かを、興味深く見ていきたいと思います。