2017/02/18

ビクター・クルーズ NY・ジャイアンツとお別れ・・・

今週は、ニューヨーク・ジャイアンツのWRビクター・クルーズさんが解雇というニュースがありました。

はぁぁぁ・・・。NFLって、シビアなビジネス。人情がはいる隙は少しもありません。チームに貢献した過去があっても、人気があっても、契約金と成績が見合わなかったら、あっさりクビ。

クルーズさん、故障明けの2016年シーズンは、ジャイアンツの第3レシーバーとして586ヤードの成績でした。この解雇により、ジャイアンツは約7.5億円のキャップスペースが空くということです。

2010年にドラフト外でジャイアンツに入団。レシーバーの番号をもらえず、とりあえず3番を着て出場したプレシーズンの試合で、いきなり3タッチダウン。対戦相手のNY・ジェッツコーチ、レックス・ライアンさんに「誰やねん、あの3番はァ!?」と言わせたほどでした。しかし、レギュラーシーズンは3試合を戦っただけで、IR(故障者リスト)へ。

翌年、第4レシーバーとして開幕を迎えると、大ブレーク。一躍人気選手になりました。この年のレシーブヤードは1536。リーグ3位の成績でした。

ハイライトともいえるキャッチが、これ。第16週、クリスマスイブでの試合です。対戦相手のジェッツはここまで8勝6敗。ジャイアンツは7勝7敗。両チームともプレイオフ進出をかけての正念場。



99ヤードのタッチダウン!大歓声のスタジアム!

ジャイアンツはこの試合に勝ち、プレイオフヘと進み(ジェッツは出場ならず)、ワイルドカードからあれよあれよと勝ち進んでスーパーボウルへ。ニューイングランド・ペイトリオッツを相手に、最後残り57秒で逆転勝ちという大番狂わせをやってのけました。

こんなシーズン、盛り上がりまくりやん!夢みたいな話やん!クルーズさんも第1クォーターでタッチダウン!

2012年、2013年と好調なシーズンを送りましたが、2014年、膝に大怪我を負います。リハビリに2年を費やし、2016年に復帰を果たしました。

現在30歳ですが、まだプレイするつもりだと語っているし、いずれ、他チームと契約すると思われますが、それにしたってジャイアンツで活躍したのは正味3年。フットボール選手の選手生命って、ほんとうに短い・・・。

ビクター・クルーズさんが育ったのは、ジャイアンツのスタジアムから10キロほど離れたパターソンという街。ドラッグ・犯罪がはびこる、かなり厳しい環境だったようです。銃で撃たれて、14、5歳で亡くなった友達もいます。

今、地元に戻って昔遊んだ公園を見たりすると、「なんでオレが、ここから出ることができたんだろう」「自分に与えられた役目とは何だろう」という思いがこみ上げるそうです。

地元の中学校を訪問した時には、校内放送で「僕はビクター・クルーズ・・」と言ったとたんに、学校中が揺れました。生徒の歓声。椅子から立ち上がる音。教室を飛び出て、クルーズさんに会おうと階段を駆け下りる生徒たち。「僕は、ここではすごい人なんだ」と、驚いたクルーズさん。

地元のヒーロー。パターソンの子どもたちにとっての、未来への希望。「クルーズみたいになりたい」という気持ちを子どもたちに与えられるのが、スポーツ選手の醍醐味じゃないでしょうか。

大学では、成績が悪くて家に戻されたこともありました。勉強をやり直してフットボールを続け、ドラフト外でNFLに入団。何の期待もされなかったけど、スーパーボウルに出て優勝って、振り返ってみれば、シンデレラみたいな話ではないですか。

ジャイアンツは去りますが、ビクター・クルーズストーリーはまだまだ続くと思うので、これからも応援したいです。

おっと、それからもうひとつ。クルーズさんが怪我をしたのは、フィラデルフィア・イーグルス戦だったんですが、当時イーグルスのヘッドコーチであったチップ・ケリーさんが、その日病院に来てくれたそうです。クルーズさんの大学時代、ケリーさんは他の大学のコーチをしていて、対戦相手としてよく知っていたのだそう。

チップ・ケリー、いい人やん・・・。今まで、あまりいい印象は持っていなかったんですが、やはり、簡単に人を判断してはいかんよね!と、改めて、また、思いましたです。(よくある・・)チップ・ケリー、いい人や。

ということで、クルーズさんがどこに行くのか、ちょっと気にかかるぞ・・。

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