2018/03/12

ジョシュ・ローゼンの事実と噂

フリーエージェント解禁前からドタバタしているNFLですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。ちょっと気持ちを変えて、ドラフト候補生の話題です。UCLA出身で上位指名確実と言われる、QBジョシュ・ローゼンくん。


「僕はここにいる中で最高のクォーターバックだ。ディフェンスを分析し、正しい場所にボールを投げることができる。決断力もある。僕たちは競争者だから、他のクォーターバックも同じように思っているだろう」

と、コンバインで語っていました。アメリカ人の「自分がナンバーワン」精神はここでも揺るぎなし。あっ、そう~。そうなんだ~。自分を信じ切るってすごいな・・・。

このローゼン君については、これまでに様々な噂が飛び交っていました。NFLでプレイするだけのモチベーションがあるのか?権威を軽く見すぎているのでは?頭が良すぎる?チームメイトに嫌われている?などなど。運動能力的には優れているが、指名をためらうチームもいるかもしれない、という声も聞きました。そのジョシュ・ローゼンくんのプロフィールです。

1.NFLへのモチベーション

お父さんは有名な脊椎外科医、お母さんは権威あるアイビーリーグ大学創設者の直系という、かなり裕福な家庭で育ったローゼンくん。大学の寮にジェットバスを持ち込んで話題になったこともあります。プロにならずとも億単位の金に困ることのない彼が、NFLのでやっていくだけのタフさがあるのか?

「僕の家は16歳の誕生日にフェラーリを買ってくれるほど金持ちじゃない。ただ他のチームメイトのような(経済的)心配がなかっただけ。世の中の格差に触れることができたのはフットボールのおかげだ。だから大好きだ。

必要がないのにプレイしている、ということは、僕が本当にフットボールが好きだということを証明している。経済的に必要ないのに、魂も心もフットボールに捧げているんだ。誰かに無理強いされてやっているわけじゃない。両親は学業中心に僕を教育してくれた。二人ともアイビーリーグの卒業生で、それに誇りに思っている。フットボールのために大学を変えることを、なんとか説得して、やっと分かってもらったんだ。」

ローゼンくんは語っています。お父さんはなんと、フィギュアスケートでオリンピック選考会にも出たという人。メスを握るフィギュアスケーターってすごくない?お母さんとはアイスダンスのペアだったそう。

2.フットボール外での主張

大統領選挙があった2016年には、"FUCK TRUMP"メッセージ付きの帽子をかぶり、ドナルド・トランプ所有のゴルフコースでスイングを振る写真をインスタグラムに投稿。

また、UCLAがアンダーアーマー社と280億円のシューズ・アパレル契約を結んだ時には、「これでも僕たちはアマチュア。非営利団体NCAAてか」と全米大学体育協会の偽善ぶりを非難。

インスタグラムの投稿はどちらも削除されましたが、トランプ帽子については「投稿したことに後悔はしていない。ちょっと笑えるだろ?」とコメントしていました。

政治的発言を厭わない選手を、超保守的なNFLチーム幹部が両手を広げて迎え入れるのか?「余計なことをせず選手はフットボールに専念すればいいのだ」と考えるオーナーがどれくらいいるのか(多分ほとんど)を考えると、危険マークを貼られているかもしれません。

3、チームメイトに嫌われている??

「嫌われているとか、自己中心的だとか、頭良すぎとか、匿名の人に言われても気にはならない。だけど、コンバイン後もそう言われたらイヤかもしれない。だって、もう実際にはチームとは面会したからね。それでも噂が続くようなら、何かあるってことだ。懸念すると思う。今のところは雑音にしかすぎないけど」

と、ローゼンくん。UCLAのチームメイトが、コンバインの面接で一番先に聞かれたことはローゼンくんのことだったとも語っています。チームに溶け込める人柄は、もちろんスカウトが考慮するポイントのひとつでしょう。コンバインの面接では、「同じチームから、一緒にNFLチームに行ける選手がいるとすれば、誰を選びますか?」という質問が必ず出るようです。ドラフト候補生もいろいろ大変っすね。

さて今週は、政治的に率直なローゼンくんに対して「彼は人道主義者になるか、フットボール選手になるか、決めた方がいい」と発言したNFLコメンテーターがいて、JJ・ワットさまの怒りに触れていました。

「バカバカしいコメントだ。良くも悪くも、アスリートはこの国で皆に認知されている。この大きな影響力を利用して、大勢の選手が地域社会に貢献している。その力を使わない人間がいるのか?」

そのとおりですね。自分の主張があるなら言ったらいいじゃないか。スポーツ選手であれ、政治的に積極的であって何が悪い。有名であるからこそ、社会を改善できる力になれるんだもの。そういえば昨シーズンも国歌斉唱時に起立しない選手がいて批判されていましたね。まだ世間の風当たりは強くても、これからどんどん変わっていくんじゃないでしょうか。保守的なNFLといえど。

ということで、ローゼンくんはどこのチームに指名されるのか、NFLで活躍できるのか否かを、興味深く見ていきたいと思います。

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