2018/05/06

Thank You! クリフ・アブリル&ピンポン仲間たち

「第4週に首を怪我した時は、これがシーホークスのユニホームを着る最後だとは思いもしなかった。腕に感覚が戻り、指のしびれが無くなったので、正直、試合に戻れると思った。ドクターに病院にいくように言われたけど、まあ形式だけだろうと。MRIをして家に帰り、『ひょっとして1、2試合欠場するかもな、最悪の場合』というつもりだった。これでシーズンが終わるとは考えもしなかった。ましてや、シアトルでの最後になるなんて」

と語るクリフ・アブリルさん。この怪我から7か月後、今回の身体検査がクリアできなかったことから、シアトル・シーホークスよりリリースされました。ずっと噂されていましたが、現実に発表となるとやはり寂しいです。

しかし、引退とは語っておらず、お医者さんと相談しつつ、その時が来れば自分と家族のために最善の決断を下したいとのこと。

2008年ドラフト3巡でデトロイト・ライオンズに入団し、5シーズン後にフリーエージェントとなりました。大型契約を期待しましたが、ディフェンシブエンドの市場は厳しく、ベンチ外でも見本となってほしいと勧誘されたシーホークスと2年契約したのが2013年。

「ロッカールームを見渡すと、シャーマン、アール、カム、KJがいた。素晴らしい選手の集まりだと肌で感じた。考えても見てくれ。デトロイトでは、負けることが多かった。ルーキーで16敗シーズンも経験した。5年間でプレイオフ出場は一回だけ。しかし今、スーパーボウルを、チャンピオンになることを期待されるチームの一員となったんだ。

それまでしたことはなかったが、シアトルでの数年はピンポンばかりしていたような気がする。毎日だ。2台使って試合することもあった。試合そのものよりトラッシュトークで白熱した。みんなが、自分こそトップ5だと断言し、ナンバーワンだと豪語する選手もたくさんいた。

実際のところピンポンの王者だったのは・・・アールだろう。ジミー・グラハムもうまかった。その次はルーク・ウィルソンかな。シャーマンじゃないのは確実だ。すまんな、兄弟。😉

しかし、ハウシュカがいた時は誰も寄せ付けなかった。冷静なのさ。試合を制していた。今思うと、昨シーズンはピンポンをする時間があまりなかった。それが良くなかったのかもしれない。

ロッカールームで誰かとケンカ腰になった時は――と言ってもふざけてるだけなんだが――「ピンポンで決着つけようぜ」というのが定番だった。

楽しかったな。しかし本気の真剣勝負だ。オフシーズンの後、多分スーパーボウルで勝った翌年だったと思うが、アールが急に上手くなったんだ。鋭いサーブでみんなを圧倒した。

『アール、ズルしてるだろ!』って僕は言ったよ。

どうやってズルするのか自分でも分からなかったが、アールのラケットでも調べてやろうと思った。そしたらアールがこう言うんだ。

『ズルじゃないぜ。卓球台を買ったんだよ。家でやってるんだ』

シアトルでの卓球台の売れ行きは、その年すごかったに違いない。みんな卓球台を買って、家で練習したんだ。オフシーズンのあと、チームに戻る時に備えてね。そのくらいシリアスだったのさ。

ピンポンがオレたちの成功の秘訣だったのかもしれない。ロッカールームの団結に結びついていたんだと思う。

昨シーズンはピンポンをあまりしなかった。それが問題だったかもしれない。負傷者が多く出て、同じチームとは言えなかった。シャーマン、カム、そして自分も倒れた。他にも数人。それほど選手を失うと――特にシャーマンやカムのようなリーダーを欠けば、影響は免れない。

だけど、ピンポンの時間が少なかったと今でも思っている」

と語るクリフ・アブリルさん。懐かしい名前がいくつか出てきたけど、このオフシーズンでチームはガラッと変わり、2013年のスーパーボウル優勝経験者はすでに数人のみとなりました。時は流れ、いろんなことが変わっていきます。

今年すでに移籍が決定した仲間、マイケル・ベネットさんへの別れの言葉は

「一緒にシアトルに来て、一緒に去ることになった。僕たちがここで成し得たことを誇りに思う。どんな時でも僕を支えてくれて感謝している。キミのチームメイトへの忠誠心を疑うヤツがいたなら、ジョニー・ヘッカーに聞いてみろって言ったらいい😂」

優れたチームメイトがいたことで、自分も奮起し努力できた。スーパーボウルで勝てたこと、プロボウルに選ばれたのも、彼らがいたからこそ。シアトルでチャンスをくれたキャロルコーチ、GMシュナイダーさん、オーナーのポール・アレンさんにも感謝していました。

そしてファンにも。

「試合の日のスタジアムは忘れることができない。欠場してサイドラインに立っていた時、ファンが熱狂し地面が揺れるのを足元に感じた。その時ほどプレイしたいと思ったことはない。君たちのその熱情。その瞬間この世界でやりたいことはただひとつ、フィールドに出て君たちに代わって戦うことだ。

プロスポーツの中で、君たちみたいなファンはどこにもいない。どこにもだ。

フィールドの上だけじゃない。君たちは僕たちのビジネスにも協力してくれる。チャリティ活動も。フットボール選手としてだけでなく、地域の一人の人間として成功するよう応援してくれる。その見返りとして求めるのは、僕たちが日曜日にすべきことを遂行するだけ。

シアトルでの5年を誇りに思う。何も思い残すことはない。シアトルでプレイするのは本当に特別なことだった。

ありがとう、シアトル。シーホークスじゃなくなるのが寂しいな・・・なんて冗談さ。いつだってシーホークスの一員だからね。Go Hawks!」

というお別れの言葉でした。アブリルさんは両親がハイチ出身なので、ハイチでのチャリティ活動にも精力的に取り組んでいます。学校を建設したり孤児院を訪問したりフットボールキャンプを開催したり。活動はこれからも続いていくでしょう。

フィールドで輝いている姿を私たちに見せてくれてありがとうーーー!!!そしてこれからの人生にもグッドラック!!

なお、アブリルさんと首に負傷を負ったカム・チャンセラーさんは6月の検査で今後の去就が決まるようです・・・

2 件のコメント:

  1. エイブリルのコメント本当に熱くて痺れました!SEAに対する愛があふれてます

    それにしてもチームでピンポンが流行っていたことは初めて知りました笑
    ともすればチンピラ軍団になってしまいそうなSEAに絆と規律があった裏にはこんなことが隠されていたとは
    今シーズンからは新たな時代の到来となりそうですが、新チームのケミストリーに期待が高まってきました。

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    1. チンピラ軍団wwww
      いやまあ、そうかも。笑
      今シーズンはだいぶチームカラーが変わるんじゃないでしょうか。私も大いに期待しています!

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